ショコラ&バニラ: 『「午後10時! 就寝!」\n「午後10時、就寝」』 時雨: 「もう10時ですか。ショコラにバニラ?」 ショコラ: 「はい!」 バニラ: 「うん?」 時雨: 「他のネコたちも自分の部屋に戻りましたし、そろそろあなたがたも自分の部屋に戻って寝なさい」 ショコラ: 「ん~、もうちょっとここにいちゃダメ?」 時雨: 「別にダメということはないですが……どうかしたのですか?」 ショコラ: 「どうかしたってわけじゃにゃいんだけど……」 バニラ: 「最近、ご主人が構ってくれなくて寂しいんだって」 ショコラ: 「にゃー! そんな御無体にゃ言い方!」 時雨: 「くすくす。そうなんですか、ショコラ?」 ショコラ: 「にゃぁ……だって、ご主人さまったらこんな時間になってもずっとキッチンでケーキ作ってるし……」 バニラ: 「確かに最近は遊んでくれないどころか、つれないことが多いよね」 時雨: 「兄さまには兄さまのお考えもあるのでしょう」 時雨: 「家族である私たちが理解してあげないでどうするのですか」 ショコラ: 「それはわかってるつもりにゃんだけど……」 バニラ: 「どうにもショコラは納得がいかないようで」 時雨: 「くす。同じ兄さまが好きな身として気持ちは良くわかりますけどね」 時雨: 「いいですよ、じゃあ今日はここで一緒に寝ましょうか?」 バニラ: 「おお、時雨ふとっぱら。なら私もここで寝る」 時雨: 「ええ、もちろんです。ベッドの広さは十分にありますから」 ショコラ: 「うわーい、やったぁ♪ 時雨ちゃん大好きー♪ ぎゅーっ」 バニラ: 「私も時雨好き。ぎゅーっ」 時雨: 「こらこら、2匹でそんなにしたら苦しいでしょう?」 時雨: 「じゃあ電気消しますから、大人しくベッドに入りなさいな」 ショコラ&バニラ: 『「はーい♪」\n「はーい」』 ショコラ: 「ねぇ、時雨ちゃん時雨ちゃん」 ショコラ: 「眠くなるまで、ご主人さまの小さい時のお話聞かせて欲しいにゃぁ」 時雨: 「くすくす。初めからそれが目的だったのでしょう?」 時雨: 「ショコラは兄さまの昔話、大好きですものね」 バニラ: 「私もちょっと興味ある。ご主人のハナタレ時代」 時雨: 「私と兄さまは歳の差があるので、兄さまの幼少期のことはよく知らないのですけどね」 時雨: 「でも年が離れてるからこそ、可愛がってくれてるとも思うのでジレンマもあるのですが。くすくす」 ショコラ: 「じれんま?」 バニラ: 「それもまたをかしってこと。多分」 時雨: 「まぁ大体そんな解釈で合ってますけど」 時雨: 「では、何から話したものでしょうかね。たくさんあって迷うのですが――」 ココナツ: 「あ、やっぱり時雨さまの部屋にいた」 ココナツ: 「ショコラとバニラの話し声がしないから変だと思ったんだ」 シナモン: 「ね? やっぱり時雨ちゃんのお部屋にいたでしょ? 絶対にここだと思ったんだよね~」 ショコラ: 「あ、ココちゃん。シナモっちゃんも」 アズキ: 「なんでメイプルまで来てんだよ。一人で寝んのが怖くなったんか?」 メイプル: 「そんなワケないでしょ。みんなが来てるっぽかったから、何となくよ何となく」 メイプル: 「アズキこそなんでここに来てんのよ」 アズキ: 「アタシは何か楽しそうな匂いがしたからだよ。まぁオメーと同じだな」 バニラ: 「アズキ、メイプルも」 時雨: 「あらあら。みんなまた戻ってきてしまいましたね。くすくす」 ココナツ: 「ショコラとバニラだけ時雨さまと一緒に寝るのはずるいよ」 シナモン: 「そうだよ、抜け駆けずるい~。わたしも時雨ちゃんと一緒に寝たいのに~」 メイプル: 「あたしは抜け駆けとかはどうでもいいけど、仲間はずれにされるのは嫌だしね」 アズキ: 「楽しそうなことしてんならアタシも混ぜろよなー」 時雨: 「ふふ、じゃあたまにはみんなで一緒に寝ましょうか」 ショコラ: 「わーい、みんなで一緒! いいと思います!」 バニラ: 「みんなで一緒はいいね。楽しそうでわくわく」 ココナツ: 「じゃあ失礼して」 シナモン: 「わたしも失礼して~♪」 シナモン: 「あ、ショコラちゃんもうちょっとそっち詰めてくれる?」 ショコラ: 「うん、分かったー」 時雨: 「え、ちょっと……みんなでひとつのベッドはさすがに……」 メイプル: 「アズキ、もうちょっとそっち詰めてよベッドに入れないじゃない」 アズキ: 「ンなこと言ったってこっちも限界だって。バニラもっとそっち行けよ」 バニラ: 「もうかなり細長くなってる。これ以上は無理」 時雨: 「ちょ、ちょっと待って……これは、かなり苦しいのですが……」 ショコラ: 「みんなで横になってぎゅってし合ったらどうかな?」 バニラ: 「ナイスアイデアショコラ。かなりの省スペース」 時雨: 「きゅうっ……! ちょ、ちょっと左右からの圧迫感が……!」 メイプル: 「じゃあサイズ的にココナツがアズキ抱きなさいよ。それなら収まりいいでしょ」 ココナツ: 「アズキの寝相壊滅的だから嫌だよ。メイプルこそ抱いてあげなよ」 アズキ: 「勝手なこと言ってんじゃねー。こっちだって無駄なチチで窒息するのはゴメンだわ」 シナモン: 「じゃあわたしもダメだね~残念。えへへ~」 時雨: 「ひ、ひとつのベッドに7人とか……! せまーい! 寝れるわけないでしょーがー!!」 全員: 『「「「「「「「Zzz……Zzz……」」」」」」」』